2009/11/23

植民地朝鮮の日本人

植民地朝鮮の日本人
高崎宗司著
(新赤版790)
 

   
  くりかえしてはならない歴史を検証する

 今年は日韓交流年ということで、さまざまな分野で共催行事がおこなわれていますが、今開催されているサッカーのワールドカップ共催もその中心的な行事の一つです。日本側でその中心になってこられた日本サッカー協会副会長の川淵三郎さんは、最近書かれた文章の中で日韓の歴史について次のように述べておられます。「スポーツに政治や過去の歴史を持ちこんではいけません。しかし歴史を知ることは絶対必要です」(「サッカーに見る日韓の歴史感情」、『世界』別冊「歴史教科書問題 未来への回答」所収)と。

 「歴史を知ることは絶対必要」ということからいえば、今まで一般にはほとんど忘れられてしまっている植民地朝鮮の日本人の歴史を知ることは、「絶対必要」なことではないでしょうか。

 この『植民地朝鮮の日本人』は、近代日本の歴史の中で朝鮮に在住し、侵略の先頭に立っていた日本人の歴史を概観したものです。1876年、日朝修好条規によって釜山に日本人が上陸して以来、敗戦によって引揚げるまで70年、最大時75万人いたといわれる朝鮮在住日本人について書かれた初めての通史です。在朝日本人の言動が具体的に描きだされ、日朝関係史としても読める一冊です。書店でぜひ手にとってみてください。
(新書編集部 平田賢一)
 
   
 ■著者紹介
高崎宗司 たかさき・そうじ
1944年茨城県に生まれる。1970年東京教育大学大学院文学研究科修士課程中退。現在、津田塾大学教授。専攻は日本近現代史、朝鮮近現代史。著書に『朝鮮の土となった日本人 ― 浅川巧の生涯』(草風館)、『「妄言」の原形 ― 日本人の朝鮮観』(木犀社)、『「反日感情」― 韓国・朝鮮人と日本人』(講談社現代新書)、『中国朝鮮族 ― 歴史・生活・文化・民族教育』(明石書店)、『検証 日韓会談』(岩波新書)などがある。
 
   
 ■目次
 はじめに
(1) 釜山に上陸した日本人
(2) 高まる植民熱
(3) 戦争への協力と移民の奨励
(4) 激増する在朝日本人
(5) 植民地支配の先頭に立つ居留民
(6) 「文化政治」の中で
(7) 「内鮮一体」の現実
(8) 敗戦と引揚
 おわりに
 参考文献
 略年表
 索引

 
 
 
 
   
▲在朝日本人の人口の推移(森田芳夫『朝鮮終戦の記録』を基に作成)

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